紹介できる人はもういません!

「誰か良い人紹介して」それが彼女の口癖なんです。そして、こう言われる度に私は溜め息を吐いてしまうのです。

今までも彼女には何人もの人を紹介してきたんです。私の知人や、過去に勤めていたバイト先の人。かなりの数を紹介したんですが、彼女は惚れっぽくて飽きやすいという、ちょっとタチが悪いタイプの女性なんです。

私はさすがに「もういないよ」と言いました。いくら知り合いを紹介しても、彼女は付き合ってるのかわからないような曖昧な状態をのらりくらりと維持したり、すぐに飽きて別れたりとしてしまうのです。おそらく今回もすぐに飽きて別れるに決まってる。そう思っていたんです。そうしたら、

「今度は本気なの。そろそろ結婚も経験してみたいなって思ってぇ」

彼女がいつもの甘えたような声を出します。正直、この声が出てきたら要注意なんです。

「ダンナさん。市役所に勤めてるんでしょう?誰か紹介して」と、言うのです。

友人としては紹介してあげたい気持ちもありますが、夫を巻き込む訳にはいかないのです。もしも夫の職場の人を紹介してもらったとして、彼女がすぐに別れてしまったら、夫もかなり気まずい思いをする事でしょう。大切な夫の為にも、私はハッキリと断りました。